サッカー好きなら、ワールドカップを見にいきたいと思うのは自然なことだと 思う。 今回やっと見にいけることになった。しかもフランス。観光するだけでも 魅力いっぱいなのに、こんないい場所で開かれるとは。
しかも日本が出ることになってしまった。ツアーの料金が上がってしまうことは 必至だった。そこがちょっと気掛かりだった。
年明けから各旅行社からツアーが売り出された。予想通りどこも 30万以上だった。 しかも、どこもすぐ予約でいっぱいになってしまったようだ。 去年の劇的な出場決定の余韻が残っているようだった。

ぼくはそんな中、少々のんきに構えていた。だって高すぎるし、きっと安いのが でてくるだろうと思っていた。 もっとも、最初から日本の試合はどっちでもよく、決勝トーナメントから行きたかった。しかし、日本戦をからめないツアーは皆無に等しかった。

ツアーを決めたのは3月末。 ぼくの応援するチームが好きだといってくれる会社の友人が紹介してくれたのだ。 それはぴあカード会員向け(のちに一般発売 されたようだが)に企画されたものだった。 実際の主催は東急観光らしい。
決め手となったのは、そこそこの値段(30万ちょっと)と日程(6/25-30でジャマイカ戦)、 それから オプションで決勝トーナメントが2試合見れることだ。それに一人部屋の料金も 他の旅行社よりも安かった。

とりあえず一安心。 と思っているとゴールデンウィークに入いるちょっと前だったか、東急観光より 連絡があり、日程が1日早まるとのこと。 ただし、飛行機はパリへ直行だという。
おいおい待ってくださいよ、決勝トーナメント見たくて決めたのにそれはないでしょう。とだだをこねると、先方はわかりましたといって対応してくれた。 後からわかったことだが、そんなことを言った人はぼくだけだったらしい (あるいはキャンセルしてしまったか)。

通常(サッカーに限らない)ツアーの場合、各種の案内は1ヶ月ぐらい前になったら 届くものである。 しかし、いつまで経っても送られてこない。前に着た通知では最終案内が5月 20日ぐらいには届いていることになっている。 旅行社にはもちろん何度も電話した。しかし、大丈夫だから もう少し待ってくれとの返事。 不安ながらも待つしかない。

そして6月10日を迎えた。いよいよ開幕だ。
しかし前日からなにやら怪しい動きが出はじめていた。チケットがないという問題だ。 これには緊張した。もしかして自分もそうなのではないかと。 この時点でも案内は届いていない。電話では旅行社とは何回も確認している。 大丈夫だといわれて信じていたのに。
一番やばいのは、目前にせまったアルゼンチン戦のツアーには違いないが、不安は 募る。 そうこうしているうち、ツアーの中止が相次いだ。東急観光もその中に入っている。 ニュースでも空港で詰め寄るツアー客が映し出されている。

もちろん次の日旅行社に電話した。 しかし、予想通りというか、チケットはまだ入手できていないようだった。 時間がまだあるので、15日まで待って欲しい、それまでに対応するとの返事 だった。もう信じて待つしかない。 ジャマイカ戦はだめでも決勝トーナメントは?ときくとそちらのほうが 「可能性」は高いとのこと。なんだろ、「可能性」って。 旅行社の手元にチケットがないのに違いはなかった。
会社では会う人ごとに、チケットは大丈夫かと聞かれる。 心配してくれる人と面白半分な人、さまざまな様子だ。

13日の新聞をみて愕然とした。 東急観光はジャマイカ戦をも中止すると発表したらしい。 ツアー客に連絡もしないで、しかも15日まで待てといっておきながらどういう 対応なんだろう。 これでかなりキレてしまった。家の人にも怒られるぐらいだ。 東急観光は土日休みらしい。電話はつながらない。 だめもとで正規代理店といわれる旅行社に電話してみる。 もちろん日本戦などあるわけもなかったが、準決勝から決勝までのツアーなら あと2名分あるという。しかし料金が半端ではない 895,000 円だった。 電話を一度きって10分ぐらい考えた。しかし予約してしまった。 自分でも血迷ったものだと思った。 申込料は16日までに払えばいい。もしかすると東急観光からまだ連絡がないのは ちゃんといけるからではないか?と思ったからだ。

他のツアー客はどうなのかと、インターネットのサッカーの掲示版に書き込み情報を 集めることにした。 その中には中止の連絡を受けた人もいた。ぴあのツアーに参加するという人もいた。 ここでわかったことは、各支店で対応が違うということだ。 ツアーを主催しているのは、各支店らしい。もちろん値段設定は同じだが。

15日、旅行社から連絡があるはずだが、待ちきれず自分から電話する。 主催としてのツアーは中止らしい。手配旅行になるとのこと。 主催だか手配だかは問題ではない。要は行けるか行けないかだ。 今まで対応してくれていた人はアルゼンチン戦のツアーに同行しているらしい。 代わりの人はどうも要領を得ない感じだ。 決勝トーナメントはどうなんですか?と聞くと、 27日の分は大丈夫だ手元に23枚あると いう。しかし、申し込んでいるのは26人で、ぼくは申し込んだ順番から 残り3人に入っているらしい。 あぁなんてこったい。じゃあ28日は?これはぼくだけだと思うんですけどと 聞くとこれから確認するとのこと。とりあえず電話を切る。 数十分後、旅行社から電話がある。 27、28日ともにOKだという、ほんとかね?信じられない。 信じたいのでチケットのコピーをファックスで頼むことにする。

これで最初の予定通りの日程でいくことになった。ジャマイカ戦がなくなった だけだ。決勝戦のツアーもキャンセルする。

数日がたった。まだファックスは送られてこない。 担当の人も帰ってきているはずなのでいつものように電話する。 しかし、またもやショックな出来事。チケットはなんとパリにあるというのだ。 話が違うじゃーんという感じだったが、パリにはあるというのを信じるしかない。

直前になってようやく案内もきた。ジャマイカ戦も大丈夫になるかもしれないとの こと。 アルゼンチン戦での騒ぎや日本が決勝トーナメントにいけないことでいくのを やめた人が多くでているのかもしれないし、時間があったから旅行社が 買い漁ったのかもしれないが、そんなことはどうでもいいことだ。 とにかくワールドカップを生でみたい。

こんな感じで一喜一憂したりして当日を迎えたのだった。