私はサッカーが好きだ. 観るよるするほうが断然好きだ. 全然走らないし, うまくないけどたまけりは楽しい. だからっていうわけじゃないけど, 今回の日本の WC への挑戦(まだ挑戦なんだなぁ)も 比較的冷静だった. 日本が WC に出なくてもフランスにはいくつもりだったし, もちろん出られたら 嬉しいだろうなあと思っていたけど, フランスで日本がみられなくても別に 構わなかった(がっくりはするだろうけど). だから 11/1 の韓国戦に誘われていったとき, 心中は「もうだめだよなぁ」 本気でそう思っていた. その前の UAE 戦の戦い方をみたらマスコミだけじゃなく サッカー好きの中にも「やっぱ WC はだめのかな」と思った人が少なからずいたん じゃないかと思う. でもあの試合でなにかがふっきれた. 韓国のプレッシャーが甘かったからかも しれないが, 日本代表に風が吹いてきた, そう思えた. 11/8 のカザフスタン戦で 3位決定戦への挑戦(やっぱり挑戦なんだ)権を獲得したとき も, マレーシアにいくかどうか悩んだ. 月曜日とりあえず JTB に電話してみた. やっぱり満席. 「そうだよなあみんな同じ こと考えるよな」そう思った. でも J-NET のページを観ていると次々とツアー, 臨時便が出ているようだった. 値段も思ったより安かった. 韓国のときと 1.5万ぐらいしか違わないツアーがある. 仕事そっちのけで J-NET をチェックし, 悩み続けた. うちのかみさんに相談した(財布は別だから経済面は問題なし). 「いってくればぁ〜」 の返事. うーん どうしよう, 韓国戦に同行した木村さんに tel.いくという. 「熱くなれるものがあるっていいよね」という同僚の声. あー もう止まらない. すぐさま旅行社に電話して予約した. 今回は韓国戦のときとは違い, 「勝ちにいくんだ」そういう気持ちだけだった. 負けてオーストラリアなんてことはありえないと思っていた. イランは強いと思った が, 負けは想像できなかった. そうこうしているうち, 出発の日になった. 今回も韓国戦に引続き, ビデオはセットしない. ビデオにすると勝てないという ジンクスがあるのだ. 6:50 羽田集合. 早いよなあ. そして関空へ. 羽田からすでにレプリカを着ている人たちがいる. 私はその週レプリカを探して奔走したが, すでにどこにもなかった. しかし, J-NET で貸して頂けるという方を発見し, 大事に大事に持ってきていた. ホテル同室の木村さんとはホテルに着くまで会えなかった. 飛行機が違っていた のだ. 当然同じ飛行機と思っていたからお互い確認しなかった. 今回参加したツアーはいろいろな便でやってきて 150人ぐらいになっていた. そんな修学旅行みたいなツアーに参加したのははじめてだった. みんなすでに 「いって」しまっていた. 次の日の予定が発表され, 13:30 ホテル出発. 国境越えは 5時間とも 6時間とも 言われていたから妥当な線だと思った. 当日, 国境越えは予想されたものより早かった. 日本人用に特設されていたからかも しれない. また, ジョホールバルで祝勝会をしようという案もあったのだが, 団体だと来た人数 で帰らないといろいろ面倒なことになるということをいわれ, あきらめる. 日本でやりましょう, そう思うことにした. 通関が早かったので, これならいい席がゲットできるかもしれない. そう思った. 韓国戦のときと同じぐらいの時間だったからだ. 実際 15:30 過ぎに着いたと思う. でもそんな期待は裏切られた. 同じように国境越え は時間がかかると思って早くでてきていたのだろう, すでにスタジアムの周りは日本人 だらけだった. 待つこと 3時間. やっと入場. しかし席はかなり埋まっている. しかたなく 電光掲示板側の右コーナー近くへ. 隣に家族連れ. いいなあ, 現地在住だとこんないい試合に気軽に来れて. そうこうしているうちにイラン選手がグラウンドの状態を確かめ, アップしはじめた. 日本サポータからはブーイング. しかしイランの選手はみなリラックスしてその ブーイングにこたえていた. ボールを使いだしてからもみなリラックスしていて, いい感じだった. 中東の選手 らしくボールコントロールも柔らかいなあと思った. その後, 日本登場. すごい声援. 現地在住の人もビニール袋もらって声援を送って いた. スタンドのエールに答える代表. なんとなく固いなあと感じた. 途中, ウルトラスのドラえもん旗が頭上を往復した. いやがおうにも盛り上がる スタジアム. あっという間に 9時. 国歌斉唱のあと試合開始. 前半は日本のキックオフ. 開始後すぐにイラン DF がオウンゴール! うぉ! と 思ったがオフサイドだった. 遠いサイドだと遠近が分からないのよね. でもいけるぞー. その後は一進一退. どちらもいいシュートがあった. 川口はポストに助けられた. イランはやはりフィジカル面は強いし柔らかい. パスまわしはどうってことないけど, 中盤から真ん中を強引に, でもするするっと抜けてくる. 前半日本の中盤はあまりいいとは思えなかった. パスを回そうとして中途半端になり, そこをカットされて一気にゴールまでくる, そういうシーンが多かった. イランはボールをもつとこわい. あっという間にゴールまでやってくる. でもそうこうしてるうちに日本ゴール. だれがいれたか全然分からないけどとにかく 先制だ. 興奮. 大はしゃぎ. 時間も 40分ごろでいい時間帯だ. 後半, キックオフからあれよという間に同点. ありゃりゃ. きれいにきめられたわ. しかしまだ同点. 時間はある. そうこうしているうちに逆転. 静まりかえるスタンド. イランサポータ大喜び. 「やはり遠いな フランス」そう思った. 隣で声を出しつづける木村さん. えらいわ. 私はしばらく座り込んでしまった. でもこの日の日本は違った. 精神的にタフになっていた. そして FW 交替. カズが交替した. 監督の決断はうれしかった. いけるという予感が した(多分何万人ものサポータもそう思ったと思う). 各国の監督はカズの存在は こわいというが, この最終予選あまりいいところがなかった. 以前みられたするどく 切り込みはなりをひそめていた. この日もボールを持ちすぎ, いいタイミングで センタリングを上げられないでいた. 代わりに入った城, ロペス. 「じょー, お前は切れてる!」というほど城の状態は よかった. ロペスの加入後, 城の出番は減ってしまったが, ずっと調子はよかった と思っていた. そして, その城のゴール. やたー. 同点! 大騒ぎ. いけるいけるぞぅ! でも残り時間は多くない. 延長か? 90分で決めて欲しいぞ そう思っていた. 終了間際のイランのコーナーキック. このときあのドーハを思い出した人は何人 いただろうか. コーナーは逆だったけどすごく嫌な予感がした. でもそれもしのいだ. ふー. そして延長へ. 延長前, 岡野がアップはじめた. 走りまくる岡野. 俄然盛り上がるスタジアム. 延長は足が止まってしまったイランに対し, 攻撃しまくり. でもイランがボール をひとたびもてばゴールまでやってくる. 緊張する. そして後半ゴールデンゴール. わー. だれがいれたか分からんがフランスだよ フランス. 周りの人と抱き合って喜ぶ. スタジアムの見知らぬ人とフランスで会う ことを約束する. そのあとあまり記憶なし, スタジアムを掃除して帰った. でも照明も消えたし 2つぐらいごみ袋一杯にして帰らせてもらう「ごめん. マレーの人よ」. 帰りのバス, 大騒ぎ. ツアコンの人も嬉しそうだ. 一人ずつ自己紹介することに なった. 「フランスいってもいいんですか?」「いーんです」は何度も聞いた. 帰りは渋滞, および団体行動ができない人のおかげで時間がかかりホテルに着いた のは 3:30 . 木村さんは 30分以上前に戻ってきたらしい. ごめんなさい. 明日早いのに. とりあえず今回来れなかった宮崎さんに fax を送るべくメッセージを書き, 乾杯 して寝る. 次の日, 朝すでに木村さんはいなかった. 挨拶もできなかった. またまた ごめんなさい. その日は夜まで観光したが, とあるところで高校の同級生に出くわした. やっぱりこういう人いるのね. その人によると「磐田だけでも 20人はいると思う」 そうでしょうそうでしょう. 記念写真とって別れる. 帰りのバス. ツアコンの人から代表に空港で会える可能性が高いという情報あり. 盛り上がるバス. そして空港, もうそんな人達でいっぱい. 代表が現れるともう大変. 空港にいた 他の国の人達は何事かという感じでみていた. 日本代表が出国審査でならんでいるとき, 「ニッポン」コール. その後ゲートでまちぶせ. 同じ飛行機だったらこうは出来なかった. 選手たちと握手. ロペスはいいやつだ. 中山とも握手「チャンピオンシップも頑張って下さい」と声をかける. 中山の目が 鋭くなった. このとき, 「まかせろ」だったのか「何いってんだこいつ」だったか は定かでない. ま いっか. 自分たちのゲートに向かうとき, ダエイをみた. 日本人にもやさしくサインしてる. 写真とろうと近付いてみると, 自分のポケットからブロマイドらしきものを出し それにサインして配っているではないか! 思わず手をだしてもらった. んーいいやつだダエイ. 4年前にジュビロにきてほしかった. あのときは兵役で だめだったと聞いていたが, 知らない間にドイツにいったのね. 次の試合はがんばれよ. 一緒にフランスへいこう. 帰りの機内. スチュワーデスの「日本代表おめでとうございます」のアナウンス. みんな拍手. サッカー観戦じゃなかった人はおどろいたでしょう. その後, NHK ニュースのビデオ上映. みんなヘッドホンを出すのが早い. 代表のニュースで また拍手. まだまだテンションたかいぞー. そのあとはおとなしく東京へ. 家にかえらず会社にきた. おめでとうといった人とはとりあえず握手. うれしいね. うちではニュース, 新聞で同じシーンを何度も観る. ほんとにいけるのねフランス〜. 目頭が熱くなった. 今度はビデオ入手して反芻しよう. そう思った. だれかに借りなくちゃ. おしまい.